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第9回アフリカ開発会議の閉会を宣言する石破茂首相(中央)=2025年8月22日午前11時11分、横浜市、代表撮影
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 横浜市で20日から開かれていた、アフリカの発展について協議する第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が22日、「横浜宣言」を採択して閉幕した。宣言では、多国間主義の弱体化やアフリカの貧困などの課題に取り組む必要性を述べた上で、「経済」「社会」「平和と安定」を3本柱に協力を進める方針をまとめた。

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 「経済」では、多角的貿易体制の重要性を確認した。日本政府は今回のTICADで、域内の関税撤廃をめざす「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)」を後押しする産学官による検討委員会の設置を表明。宣言ではAfCFTAで「地域統合と連結性を推進する」とした。食料不安の解消に向けた農業システムの強化や重要鉱物の安定供給の重要性も確認した。

 「社会」では、トランプ米政権による米国際開発局(USAID)の解体などを念頭に、「アフリカの保健システムに対する世界のODA(政府の途上国援助)の減少」に言及。感染症対策などに関する日本とアフリカの協力を強化するとした。日本とアフリカの若者の交流の促進や、アフリカの若者が主導するスタートアップ(新興企業)への支援も掲げた。

 「平和と安定」では、民主主義や法の支配が「アフリカの持続可能な開発、平和、安定の基盤となる」とした。

 石破茂首相は閉会式で、「これからの30年間、日本とアフリカの協力を定義付ける重要な機会になった」と成果を強調した。

 TICADにはアフリカから…

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